猫種 | 日本猫 真っ白 左右の目の色が違う 尻尾がとても長い |
大きさ | 和猫らしい大きさ、体重は3Kgくらい? |
性別 | 謎 |
性格 | 極めておとなしく、賢い |
生年月日他 | 一切不明 |
好物 | 煮干し、チーカマ、魚肉ソーセージ、チーズ、その他 |
嫌なモノ | 不明 |
居住地 | 千葉県内某所であった |
特技 | チーカマを掻っ払って食べる。(自分の店だから掻っ払うとは言わないのか?) |
苦手なモノ | 水。水の入ったバケツの上などに持ってゆくと暴れる |
車 | 自動車に乗車するのが好き、ただし車内を探検するため危険 |
嫌いな場所 | 不明。 |
WANが来る前には猫がいました。
白い小さな猫で「ちび」「ちび猫」と呼ばれていました。
近所の猫で、家の人と一人と一匹で暮らしていました。
本名は「シロ」のはずで三代目に当たる猫でした。
「シロ」がなまって「チーちゃん」「チビちゃん」と呼ばれていました。
この「チビちゃん」は実に長生きをしていて飼い主の方が亡くなった後も家を守っていましたが、
家に誰もいないため、ご飯を食べるために近所に遊びに行くのが日課でした。
間もなくその家にも離れていた家族が戻って来ましたが、前から居る「チビちゃん」は「チビさん」に昇格しました。
家族のできた「チビさん」でしたが、一宿一飯の恩義を忘れず、各家に毎日挨拶に回っているできた猫でした。
もちろん各家庭のご飯も貰う日課は続いていました。
元の飼い主が亡くなり49日も過ぎたある日、それまで額に入れてあった飼い主の遺影を家族の実家に戻す日が来ました。
もちろん祭壇等はもう片づいて居ましたので「チビさん」にとって元の飼い主を見られるのはその遺影だけだったのです。
「チビさん」がいつものように近所の挨拶回りとパトロールを終えて帰宅すると
遺影がないのに気が付いたのでしょうか?「ニャッ!!」と言って外へ飛び出したのです。
間もなく戻ってきましたが、遺影がある内は安心できたのでしょうけど、それが無くなった事で何か感じる物があったのでしょう。
その後は頻繁に各家庭を訪れるようになって行きましたが次第に食事の量も減って行きました。
そのうち、どこからか流れ者の猫がやってきました。
誰にでも「ニャーニャー」と甘える人懐っこい猫で、また図々しくよその食事を食べるので
「ニャーニャー猫」あるいは「ズーズー猫」と呼ばれる三毛猫でした。
いつもお腹を減らしていて可哀想に思ったのかチビさんは自分はお腹が一杯なのに、各家庭で食事を要求し
食事が出ると形だけ口を付けて、その食事を「ニャーニャー猫」に渡していました。
各家庭では、これを「チビ猫食堂」と呼んでいました。
そのうち「ニャーニャー猫」は子猫を連れてきました。
子猫は四匹で内一匹は未熟児で死にそうな子猫でした。
でも何とか四匹とも無事に育っていたある寒い日、事故が発生しました。
暖をとるため、エンジンの余熱を当てにして車のエンジンルームに潜り込んだ未熟猫が
猫に気が付かないで始動したエンジンに巻き込まれてしまったのです。
幸い怪我は浅くて済みましたが頭など数カ所を切ってしまいました。
その後兄弟は次第に立派になるのに未熟猫だけは相変わらずです。
それから数日後また事故が起きました。
未熟猫がまたエンジンルームに潜り込んだのです。
今度の事故は大変なことになりました。
完全にファンベルトやファンに巻き込まれてしまったようで体はバラバラになってしまいました。
エンジン各部には体の部品が飛び散り、ローアームの上には千切れた舌が載っていました。
未熟猫には前の事故の経験が生かせなかったのでしょう。
子猫の死体を見た「ニャーニャー猫」には事態が把握できたようでした。
元気がないような感じが見えて間もなく、子猫の数が時々足りなくなってきました。
どこかで連れて行かれたか、事故にあったのか?
その内ついに「ニャーニャー猫」独りぼっちで来るようになって、間もなくぱったりと「ニャーニャー猫」も
現れなくなってしまいました。
気を落としてまた旅に出たのか、野猫狩りにあったのか?全く謎のままです。
それから時は流れて「チビ猫」も年をとって家の外に出ることが無くなりました。
自宅でも老猫用の食事が貰えるようになって、外食をする必要もなくなったのです。
近所には次第に犬を飼う家が増えてきてパトロールをしなくても領域を侵害される心配は少なくなったのもあります。
しかしなんと言っても老衰が原因でしょう。
ほぼ一日自宅の一室、決まった場所で寝ているようになりました。
そしてある日、永らく姿を見せなかった「チビさん」が表に出てきました。
近所の人の声が道路から聞こえたからでしょう。
世話になった人たちの足元にすり寄って頭をすりつけて親愛の情とお礼を表した後
ゆっくりと自宅に戻って行きました。
それから数日、自宅のベッドにしている空き箱の中にこもったまま食事もせずに過ごしていました。
家族が声をかけると、小さな声で「ニャー」と一言答えるだけだったそうです。
そしてある日、いつものように返事していたチビさんに声を掛けたときには答えがなかったそうです。